母を思いて、晶子
美しさ足らざることを禍と思へる母のいつきてしわれ
「美しさが足りない(容姿が優れていない)ことを最大の災難・不幸であると考えていた母が、その(容姿の劣った)私をいつ(いつの間に、あるいは、やっとの思いで)生んだのだろうか」
- 「母」の意識:当時の女性にとって、美貌は幸せな結婚や人生を送るための重要な要素と考えられていました。晶子の母は、娘の容姿が並以下であることを嘆いていた、あるいは厳しい現実として捉えていたという解釈が一般的です。
- 「いつきてし」:ここには、「いつの間に」という時の経過と、「とうとう(そうなってしまった)」というため息のような、逃れられない運命への諦念が含まれています。
- 晶子の視点:母からの「美しくない」という評価(プレッシャー)を受け止めつつ、それを客観的に、あるいは少し突き放して詠んでいます。晶子自身は美貌に恵まれていないという劣等感を抱えていたとされています。
- 『みだれ髪』の特徴:この歌集は、女性の「情熱」「身体性」「自我」を大胆に表現したことで有名です。この歌も、個人の内面や葛藤を率直に表現した、若き日の晶子の作品です。
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